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眼瞼けいれん・片側顔面けいれん


①病態と症状

 『眼瞼けいれん』とは、眼輪筋の過度な収縮により不随意的な閉瞼が生ずる疾患と定義されている病態です。わかりやすく言うと、目の周りの筋肉が無意識に勝手にけいれんして目が開けづらくなる病気です。
 『片側顔面けいれん』とは、先ほどの眼瞼けいれん(目の周りの筋肉)に加えて、顔の片側の筋肉が勝手にぴくぴく痙攣してしまう病気です。よく多いのが、口元の筋肉や頬の筋肉が勝手にけいれんしてしまいます。
 50代から70代の女性に多いとされ、脳内で筋肉の動きを調整している部分がうまく機能しなくなってしまうことが原因と考えられています。その発生原因は明らかでないため、治療は症状を抑えることが目標となります。
 ここで、眼瞼けいれんや片側顔面けいれんが疑われる症状を挙げます。

・光がまぶしい
・まばたきの回数が多くなった
・片目をつぶる
・口元がピクピクする
・まぶたがピクピクする
・目が乾き、ショボショボする
・目を開けているのがつらい
・目や目の周囲に違和感や異物感がある
・以前のような自然なまばたきができない
・顔のひきつったり、こわばったりして
 ゆがんでしまう
・目の下側がピクピクし、目が閉じてしまう
・意思とは関係なく目をつぶる


 該当する項目が多いほど、疑わしくなります。

 ここで鑑別しないといけない病気として、『眼瞼ミオキミア』という病気があります。
 このホームページをご覧頂いている皆様の中にも経験されている方が、かなりいらっしゃるのではないかと思いますが、下の瞼が無意識にピクピクピクピクと比較的早く細かい動きでけいれんを起こす病気です。、医学的には筋線維束攣縮の群発により体表面からさざなみ状の不随意収縮がみられる現象と言われています。疲れやストレス、寝不足が原因と考えられ、通常は数日から数週間で自然に軽快します。つまり、この病気の場合、ただ様子を見るだけで改善しますが、眼瞼けいれんや片側顔面けいれんの場合、放置してもよくなることはありません。

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②治療

ボトックス治療
 ボトックス治療とは、ボツリヌス菌という、本来食中毒の原因となる菌が作り出す一部の成分を抽出し、けいれんしている顔面の筋肉に注射をします。このボツリヌスの成分には、筋肉の動きを緊張させている神経の動きをやわらげる作用があるため、けいれんしづらくなります。薬の効果は3か月程度なため、定期的に注射をする必要があります。副作用としては、筋肉の作用を抑えるため、瞼を閉じる方に作用している筋肉に効きすぎると目をつぶりにくくなったり、逆に瞼を持ち上げる筋肉に効きすぎると瞼が下がってしまう副作用があります。ですが、前述したように3か月たてば元に戻ります。

詳しくは、ボトックスを販売している製薬メーカーのホームページも合わせてご覧ください。
http://btx-a.jp/kao/index.html(別ウィンドウで開きます)


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