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ドライアイ


①ドライアイとは

 近年、メディアでも取り上げられることの多いドライアイですが、ここで詳しくご説明したいと思います。まず、ドライアイの定義ですが、『ドライアイとは,様々な要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり,眼不快感や視機能異常を伴う』とされています。これはドライアイ研究会という、日本のドライアイを専門にする偉い先生方の集まりで定義されたものです。わかりやすく言うと、『いろいろな理由により』、『涙が量的に少なくなることで乾燥しやすくなったり(涙液減少型ドライアイ)』、『涙の成分が変化し眼表面から涙が蒸発しやすくなる(蒸発亢進型ドライアイ)』ことで、『角膜や結膜に障害がおよび』、それに付随した『自覚症状』があることというのがキーワードとなります。

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②涙の役割



 “くろめ”の表面つまり角膜表面は、つねに涙で濡れている状態になっており、乾燥から眼の表面を守ってくれています。涙は角膜表面で、3層構造になっており、それぞれ油層、水層、ムチン層という成分からなります。これらがうまく機能することで、涙が安定して眼表面にとどまりますが、このバランスが崩れると、角膜が傷つきやすい状態になってしまいます。

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③症状

 自覚症状に関してドライアイ研究会では、以下の12項目のうち5項目以上あてはまるとドライアイの可能性が強いと提言しています。

□目が疲れる
□目が乾いた感じがする
□ものがかすんで見える
□目に不快感がある
□目が痛い
□目が赤い
□目が重たい感じがする
□涙が出る
□目がかゆい
□光を見るとまぶしい
□目がごろごろする
□めやにがでる 

皆様も思い当たるところはあるでしょうか?
あてはまる方は、眼科受診をお勧めさせて頂きます。



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④ドライアイの原因

 ドライアイの原因の大前提は涙の異常にありますが、その理由は様々です。

●環境要因
 パソコンやスマートホン、テレビなどを見る機会が多くなり、無意識に瞬きの回数が減ってしまうことが原因となったり、コンタクトレンズの長時間装用による眼の乾燥、冷暖房の空調による室内の湿度低下が関係する乾燥など様々あります。

●他の病気が原因となるもの 
 シェーグレン症候群という自己免疫疾患によって涙腺自体が破壊されてしまい涙が出なくなり乾燥してしまうようなケースもあります。

●内服中の薬が影響するもの
 内服薬の中には、涙の分泌を抑えてしまう可能性のあるお薬があります。代表的なところでは、抗コリン作用という効能を持つ薬やTS-1という抗がん剤のお薬があります。

●その他
 眼の手術歴や加齢、ストレスも影響すると言われています。

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⑤ドライアイの検査

❶涙の量を調べるシルマーテスト
涙の分泌量を測定する検査です。専用のろ紙を下まぶたにはさみ、5分間でどこまでろ紙がぬれるかを調べます。10ミリ以上が正常値となります。

❷角膜の傷の程度をみる染色試験
フルオレセインという染色液を用い眼表面を染色します。傷がある場合、その部分だけ染色されるのが確認できます。

❸涙液層破壊時間(BUT)
 前述した染色液を用いて、眼表面の涙液層を染色します。その状態で、瞬きをしないようにして角膜が乾き始めるまでの時間を測定します。10秒以上が正常値となります。

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⑥ドライアイの治療法

❶点眼治療
 以下のような点眼薬があります。

●人工涙液
 不足している涙をおぎなう薬で成分が涙と同じです。

●ヒアルロン酸
 角膜表面の傷の治癒を促進します。また、涙を保持し安定させて目の乾燥を防ぐ作用があります。

●ムチンと水分の分泌を促す薬
 涙を構成する水分やムチン(粘液)の分泌を促す点眼薬です。

●ムチン産生薬
 ムチンを増やす作用があり、涙液層を安定化させます。


❷涙点プラグ
 涙が鼻の中に抜けていく通り道の排水口にあたる部分(涙点)に“ふた”をしてしまう処置です。眼表面にとどまる涙の量を増やします。

❸その他
 それぞれの環境要因を改善します。モニターなどの画面を見る時間を減らしたり、コンタクトレンズの装用時間を減らしたり、加湿器を用いるなどして眼の保湿を図ります。

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